オブジェクトライティング研究
和牛先生のBlender本に沿って、オブジェクトのライティングをやってみました。
○撮影場所のセットアップ
・奥に行くにしたがって面が持ち上がったバックペーパーを配置。
ループカットした平面を曲げて、細分化で滑らかに。
(床面から連なるようなグラデーションを作る為)
・左側面に大きい平面光源を一つ、上面のディテールを照らすため上にも小さい平面光源を一つ設置。
・右側面と上面に光をバウンス為の平面オブジェを設置。右側面の平面は
暗いブルーに設定し、シャドウに色を与えています。
・右下にブルーのスポットライトを二つ設置し、シャドウ左側面に青いハイライトを作って形状を強調しています。
いかにもCG屋が作りそうなイメージになってくれました!
滑らかに光が回っていて、形状がしっかりわかって良いですな~
教室の机・椅子
○3D 6時間
・ちゃんと作ると思った以上にパーツ数が多くて疲れ果てる。
・パーツごとにカラーマスク出したいけど方法分からない…
レイヤー分けて出力するしかないのか…
・今度教室にして2D化したい。
ワイングラス
○3D 20分
・ベジェ曲線で作成した断面シルエットをスクリューで立体化。
ベジェ曲線のアンカーポイントが制御点とベクトルラインと混在してとにかくみずららい、使いずらい。 ポイントと辺で作ってモディファイアで滑らかにするか、イラレでベジェ曲線データを作ってインポートした方が早く仕上げられそうです。
・環境マップでフリーのパノラマ画像を張り付けてレンダリング。
レンダリング時間は3分くらい。デフォルトのガラス設定だけど、結構時間かかるのね。
○2D 20分
・エッジのハイライトをつけつつ、絵っぽくするために上方のガラス部分をザラついた角ブラシで縦ストロークで面に合わせて塗り。
・モデル設定するのが面倒だった中のワインをまるまるレタッチ。
・エッジが弱い印象を受けたので、レイヤースタイルでダークブラウンの境界線を追加。
・個人的に上と下の付け根部分にできるUの字影、ハイライトがあるとこのモチーフはっぽくなる気がする。
・ワインの液体部分があんまり透明感出なかった感じがします。今後の課題ですね。
机作成
モデリング練習に作成した四足の木製机です
○3D 10分
プリミティブオブジェを組み合わせて作成、四隅はべベルで分割しました。
サンライト1灯でCyclesでレンダリング。マテリアルはDEFで設定されているものです。
面の影がのっぺりした感じで安っぽいですね。ライティングやレンダリング設定を今後見直してゆく必要がありそうです。
○2D 30分
床をつけた素材、机のみの素材の二つをphotoshopに持ち込んで下記のようなレタッチしました。
・上面板のツルっとした感じを出すため縦ストロークのライト、グラデーションを追加
・木の表面のざらついた色を出すため、ザラツキ感のあるブラシで表面をペイント
・足の部分、上面板の下に床面からの照り返しをボケ足の強いブラシで追加
・上面板、全面の足のエッジ部分ハイライトを細いブラシでペイント。
Blenderの素材をはじめてあたりとして使いましたが、想像した以上にいいですね。
エッジがしっかりしているので、仕上がりがリッチな印象があっていいです。
まえがき
○2Dデッサンで悩むのはもうこりごり!
2DCGで背景や小物を描きたいけ!だけどパース取りや、影付けが苦手だし、面倒!
なので3DCGソフトBlender(フリー)を使って2DCGのアタリとして使える素材が作成できるように勉強したい!
だけど一人で散漫にやっていてはなにも完成しなさそうなので、勉強過程や学んだ技術をここに記していこうかと思います。
○方法論としてまとめたい3DCG→2DCG
基本自分の作画力向上の為に始めたブログですが、自分と同じように2D畑で作画の過程に3DCGを取り入れられたらなーと考えている方がいらっしゃったら、参考程度になる情報を載せていければいいなと思います。
3DCG→2DCGはアニメの背景美術等では多少使っているのを目にしますが(響けユーフォニアムの教室描写等…)具体的にどういった手順でやっているのは、体系だてられて紹介されていない気がします。
※背景動画目的のカメラマップの方法がCGworldに紹介されているくらい
○3DCG→2DCGの期待される利点、想定される欠点
●利点
・作画すると作業者の技量で出来不出来が出てしまうようなパースとり、形状表現等が"正確なスケールでの3Dモデリング"さえ出来てしまえば誰でも納得度の高いクオリティな画が出力できる。
・情報量が多く作画が大変なモチーフを描くときに作業時間を短縮できる(かもしれない)
※時間短縮が期待されるモチーフ
①窓の凹凸があるビル、ベランダがあるマンションの近景、中景。(1ブロック作ればコピペで行ける!)
②レンガ、石畳、壁材、フローリング、フェンス、窓、等の繰り返しで情報量が多いものをテクスチャのタイリングで表現できる。(photoshopで張り込むより綺麗)
③壁、床、等の人口建造物の汚れ
④カフェ・教室・オフィス・鳥観した街並み等画面内に同一のオブジェクトがいくつもあるような景観
⑤blenderがパラメータを入れれば自動生成してくれる海、木、蔦等の情報量が多い自然のオブジェクト。
⑥ベットのシーツ、皮ソファーの皺等の、滑らかな凹凸がある作画すると難しいモチーフをスカルプティングで表現できる。
○手癖で描いてしまうと一辺倒で単純なものになってしまいがちな質感表現をサポートしてくれる。金属、ガラス、宝石等の光の屈折映り込みイメージ等を調整できる。
○2Dの人オブジェを読み込んでシーンに立たせれば、人を含めたレイアウト取りもやりやすくなる。
○Zバッファイメージを出力すれば、最終調整の際に空気遠近法、被写界深度表現などに使える。
○blender cyclesで光源に応じた照り返しを考慮したリアルなイメージを出力してくれる。
○アンビエントオクルージョンを適応することで普通の光源計算だと死んでしまうような面の立体感を強調し、より商品っぽいイメージを作ることができる
●欠点
・3DCGソフトのオペレーションを覚えるのが大変。MAYA、MAXとかだと採算とれないと導入に踏み切れない。
※多分2D屋さんのディスクに3DCGソフトがインストールされないのは上二点が原因でしょう…
・3DCGで迂闊作りこもうとすると作業時間が増えすぎて時間短縮というメリットがなくなってしまう。(重要)
※対策
・背景だったら一枚で8h以内で一旦完成までもっていきたいので3DCGのセクションが6hを超えるような作業量のものは手を出さない。
・モデリング、テクスチャの割り当てが時間がかかる城、家具が多い部屋等は、簡易オブジェクトでモデリングして2Dで作画するという選択肢も考慮する
こんなところですかね。
3DCGの完成度に拘りすぎて、作業時間が伸びまくってしまう…なんてことにならないように注意して頑張ります。